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米中貿易摩擦が、『世界の工場』としての中国の地位を揺るがしています。
中国企業が国外に脱出する新しい「チャイナ・プラスワン」はその象徴的な動きとなり、ビジネスの在り方を見直す時が来ています。
世界の工場
19世紀の『世界の工場』-イギリス-
世界で最初に産業革命が起きたイギリスは、19世紀になると世界最大の先進工業国となりました。
世界中から原材料を輸入して、良質・安価な工業製品を大量生産して、それを世界中に輸出するようになりました。
イギリスだけで、世界の工業生産額の半分を占めていたことから、19世紀における『世界の工場』と呼ばれました。
20世紀の『世界の工場』-アメリカ合衆国-
アメリカ合衆国は、19世紀末には世界最大の先進工業国となり、20世紀半ばには世界の総生産の半分以上を占めていました。
20世紀の『世界の工場』は日本という説もあります。
21世紀の『世界の工場』-中国-
中国は、1980年頃から経済開放政策を進めてきました。
積極的に外国の企業・工場の進出を受け入れることで、資本や新しい技術を取り入れる一方、外国の企業も安くて豊富な労働力・広大な用地などを求めて、中国へ次々と進出しました。
更に中国には工業の原料となる鉱産資源も豊富にあるため、多くの工業製品を輸出する工業大国となりました。
特に鉄鋼・機械・化学・繊維などの工業製品が世界一の生産高になったことから、21世紀における『世界の工場』と呼ばれています。
長きに渡り世界の電子機器の生産拠点であった中国
スマートフォンなどの電子機器の生産拠点としての役割を、世界中のメーカーから一手に引き受けてきた中国。
米国との貿易摩擦や人件費の高騰、そして国内需要の急増などによって、世界中のスマートフォン工場としての立場が変わり始めているようです。
中国は長きにわたって世界の電子機器の生産拠点であり続けてきました。
しかし、その座に今後もとどまることはなさそうです。
新たな生産拠点として注目されている国のひとつがベトナムです。
中国からベトナムに生産を移転している企業は多岐に渡り、ベトナムでは2010年以降、コンピューター・電子機器・工学製品の製造が約33.3パーセント、電気機器の製造が9パーセント増加しています。
スマートフォン業界アナリストのホレス・デデュー氏は、次のように説明しています。
「基本的に中国からの移転は、カントリーリスクのバランスを取り戻すことが目的です。」
「中国は消費者向け電子製品の生産において支配的な地位にありましたが、独裁的な政権と相まって決して安定した環境ではありませんでした。」
「政治的な影響は貿易戦争として表面化していますが、別のかたちになってもおかしくありません。」
進む生産拠点の多角化
米国と中国が緊張関係に陥る前から、いくらかの動きは既に見られていました。
ところが“関税戦争”をきっかけに、生産拠点の多角化はより緊急の課題となったようです。
生産拠点の多角化は、国際貿易における自然のなりゆきでした。
スマートフォン業界アナリストのキャロライナ・ミラネージ氏は、以下のように語ります。
「サプライチェーンの観点からすれば、物事が静止することは決してありません。そしてこれは、テクノロジー業界に限ったことではありません。」
「例えば衣料品業界でも、中国からインドネシアへの似たような移転が見られています。」
企業が生産拠点を選ぶとき、いくつかの検討すべき点があります。
製品をつくるためのにいくらかかるか、完成品を出荷するまでにどのくらい時間がかかるか、そして生産拠点の多角化といった点です。
現地ブランドの台頭
中国に対する懸念には、長年の問題である著作権違反行為や偽造のリスクがあります。
中国のスマートフォンメーカーの台頭は、もともと競争の激しい市場を更に困難な市場に変えているようです。
中国の工場は、中国メーカーのスマートフォンを生産する工場に変わる可能性があります。
調査会社のデータによると、中国では4大スマートフォンメーカーであるファーウェイ(華為技術)、VIVO(維沃移動通信)、OPPO(広東欧珀移動通信)、シャオミ(小米科技)が、国内出荷数の約85パーセントを占めているとのことです。
中国国内のスマートフォン市場は13年以来、世界最大規模となっています。
ベトナムがメーカーにとって魅力的な国に
スマートフォンメーカー各社は南のヴェトナムに生産を移しています。
この動きはしばらく前から始まっており、数年前には既にサムスンのスマートフォンに「ベトナム製」の文字が見られるようになりました。
ベトナムではサムスンの存在感が増しています。
現在ベトナムの輸出額の実に4分の1がサムスン製品によるもので、ベトナムの人件費は中国の半分、労働力の平均年齢も7歳若く、メーカーにとっては魅力的な点であることは間違いないです。。
こうした理由から、多くのメーカーがベトナムあるいは別の国を新たな生産拠点にしています。
LGは地元の韓国にあった生産拠点をベトナムに移転し、ソニーも北京を離れタイの工場に移りました。
最近ではベトナムが新たな製造拠点となっています。
ベトナムには若くて勤勉な人材が豊富であり、政府の定めた最低賃金が月給約1万2000円~1万8000円とコストが安いのは大きな魅力だと言います。
しかも若い労働力が多く、この点急速に高齢化が進む中国とは大きな違いだと言えるでしょう。
更にベトナムは、20年前と比べて国民の健康、教育が著しく改善されており、生産効率も中国と同じほどで、人々も勤勉であるとのことです。
次の魅力は、製造業のレベル向上にあります。
製造業の中心が紡績から電子製品・機械に取って代わってきており、ベトナムで生産されたスマホや精密部品がEUや中国、アラブ、韓国、米国などに輸出されているようです。
多くの国に輸出しているということは、貿易パートナーが多いためリスクを回避でき、安定した利益が可能になることに繋がります。
ベトナムの製造業は、この先10年で更に200%の成長が見込まれるとの予測もあると言われています。
ベトナムの製造業の成長は、今後もまだまだ続くようです。