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社内失業

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時代と共に変わる。従来の窓際族とは違う現代の社内失業の実態と原因

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こんにちは!自由を目指す雄です。
今日も私のブログにお越し頂きありがとうございます!

最近、友人から「あの部署には出勤はするけど仕事しない人が一人いるんだよね。自ら仕事をしないのではないらしい。でも給与も賞与も当然出てるんだよね。」という話を聞きました。

そうです。『社内失業』です。
まさか自分の同法人内に社内失業者がいるとは思いたくありませんでしたが、実はこの「社内失業者」が日本で増えているのです。

今回は、現代における社内失業者について考えてみました。

社内失業とは?

「社内失業」という言葉をご存知でしょうか?
社内失業とは、労働者が企業に在籍しているものの、仕事がない・仕事を失っている状態、出勤しているのに仕事がない状態を指します。

ウィキペディア(Wikipedia) では、以下のように定義しています。

社内失業(しゃないしつぎょう)は、本来解雇され、失業者となる可能性の高い被雇用者、あるいはその状態。特に日本の雇用制度での正規雇用と呼ばれる形態にある人を指して言うことが多い。法律上の制約によって解雇されない状態にあり、かつ公的支援により猶予されている状態で、それらの規制や支援が無くなった場合には失業者となる、潜在的な失業者をさす。

正規雇用での社会保障や賃金と言った厚遇が税金によって保護されており、逆進的な社会保障の側面があり、経済全体でみた場合には失業させた方が有意であるとの見方がある。

出典: ウィキペディア(Wikipedia)

2019年社内失業の実態調査 

人材会社エン・ジャパン株式会社が実施し、800社から回答を得たアンケート調査を見ると、意外にも多くの社内失業者が存在していることが分かりました。

「現在、社内失業状態の社員はいますか?」
「いる」:23%(いる:6%、いる可能性がある:17%)

業種別に見ると、
「メーカー」:28%(いる:7%、いる可能性がある:21%)
「流通・小売関連」:25%(いる:5%、いる可能性がある:20%)
「サービス関連」:24%(いる:8%、いる可能性がある:16%)

企業規模別では、
「1000名以上」:41%(いる:11%、いる可能性がある:30%)
「300~999人」:37%(いる:16%、いる可能性がある:21%)
「100~299人」:24% (いる:6%、いる可能性がある:18%)

社内失業者の属性は、
年代は「50代」:57%、「40代」:41%、「30代」:26%、「60代」:24%、「20代」:22%

役職は、「一般社員クラス」:80%、マネージャー、管理職クラス:30%

職種は、
「企画・事務職(経営企画、広報、人事、事務 他)」:46%
「営業職(営業・MR・人材コーディネーター他)」:31%

社内失業者が発生する要因は、
「該当社員の能力不足」:70%
「該当社員の異動・受け入れ先がない」:51%

上記のような調査結果でした。

2011年内閣府の報告書

内閣府が2011年12月に発表した報告書「日本経済2011~2012」では、国内総生産(GDP)などから企業の生産能力に見合う適正な雇用者数を推計し、実際と差し引きして求めた「雇用保蔵者数」の推移を示しました。

この雇用保蔵者数は、おおむね企業内で余剰人員になっている“社内失業者”の数に相当します。

報告書によると、社内失業者数は2011年7~9月期で465万人、全雇用者の8.5%にあたり、前年同期より50万人増えました。

社内失業者数はリーマン・ショック直後の09年1~3月期の698万人をピークに減少していましたが、再び増加に転じたのです。

正社員でありながら仕事がないという意味では、オイルショック後に登場したいわゆる「窓際族」も社内失業の一形態といえます。

しかし、2011年の報告では社内失業者の多くは20~30歳代前半の若手社員であることが分かりました。

企業が新しく採用した若手人材を適切に教育できず、会社に貢献できるだけの知識も技能もないまま、職場で放置しているという実態が指摘されていました。

これは、2008年秋のリーマン・ショック以降深刻化した労働問題の一つです。

若手人材の育成がうまくいっていない理由が、次の調査報告から分かります。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の2011年実施調査
対象:製造業の約3,200社
若手の育成が「うまくいっていない」と答えた企業は全体の30割強。
うまくいっていない理由↓
「育成を担う中堅層の従業員が不足しているから」(58.9%)
「効果的に教育訓練を行うためのノウハウが不足しているから」(44.6%)
そのほとんどが従業員300人以下の中小企業。

バブル崩壊以降の長引く景気低迷で、多くの中小企業が新しく人を採り、育てることを後回しにしたため、構造的な中堅社員不足と社内教育の劣化が生じたと言われています。

正社員でありながら仕事がないという意味では、オイルショック後に登場したいわゆる「窓際族」も社内失業の一形態といえますが、 貴重な人材がキャリアの入口で十分な教育を受けられないまま、余剰人員のレッテルを貼られて埋もれている実態は、窓際族よりも深刻だと指摘されてきました。

窓際族とは?

ウィキペディア(Wikipedia) では、以下のように定義しています。

窓際族(まどぎわぞく)とは、日本の企業や団体の職場において閑職に追いやられた、余剰の社員・職員を指す言葉。

1977年6月(安定成長期で円高不況時)の北海道新聞のコラムでラインの管理職から外れて仕事も与えられず窓際に追いやられた中高年層がデスクで新聞を読んだり、外を眺めては時間を潰すという光景を『窓際おじさん』という言葉で載せた。また1978年の1月に、日本経済新聞が新年連載「ニッポン・生きる条件」で、OLの雑談中にあった言葉として窓際族を紹介している。

高度経済成長期に終身雇用制が定着すると、能力や人間関係などの理由から年齢に応じた適切なポストを社内に用意できない社員であっても定年まで雇用を続けざるをえないため、大きな会社ほど名ばかりの肩書を与えて実質的な仕事をさせない社員を抱えるようになった。窓際は一見すると管理職の席のようだが、実際には西日の入る悪環境であり、体のよい厄介払いであった。

1990年代頃(バブル崩壊による失われた20年)から成果主義の台頭によって終身雇用制が崩れると、窓際に安住することも許されなくなり、社内いじめともなりかねない追い出し部屋での暗黙の退職勧奨も行われるようになった。

出典: ウィキペディア(Wikipedia)

窓際族より深刻な社内失業

オイルショックやバブル崩壊、そしてリーマン・ショックなどの時代背景とともに社内失業の実態にも変化が見られます。

管理職から外れ、閑職に追いやられた中高年層の窓際族とは違い、十分な社内教育を受けられない20~30歳代前半の若手社員が余剰人員とされるのは由々しき問題です。

日本企業の多くは、ホワイトカラーを中心に大量の余剰人員を抱え、企業経営に致命的な影響を与えていると言われています。

現場職は人手不足で外国人労働者に頼る現実に対し、ホワイトカラーのこの大量の社内失業者は、日本経済における大問題であります。

「オイルショック」
「高度経済成長期」
「終身雇用制」
「バブル崩壊」
「リーマン・ショック」

時代の歪みは、現代に由々しき問題を投げかけています。

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